私が27歳の時に、父と母が入院したことがある。
父が心臓のバイパス手術をすることになり、母が父のことをもう、死んでしまうと思い込んでしまい、持病の統合失調症が悪くなってしまった。
父のお見舞いから帰ってから、母の様子がおかしくなっていった。始めは母が長い間、新聞を読んでいて、何だろうと思っていた。その次も長い時間、ずっとテレビを見ていた。
トイレが近い母が、全然、トイレに行っていない。
珍しいなとしか思っていなかった。
夜になり、母が寝始めて、数時間が過ぎた。
苦しそうなうめき声が聞こえてくる。見ると母がお腹が痛いと苦しがっていた。
トイレに連れて行こうとしたら、うまく立ち上がらない。妹たちと、何とか母をトイレに連れて行った。
布団に入り寝静まるとまた、母の苦しそうな「はあはあ」とした息遣いが聞こえてきた。どうしようもないので、救急車を呼んだ。
病院に運ばれてわかったのだが、尿が溜まり過ぎて、お腹が痛くなってしまったそうだ。さっきトイレに連れて行った時に、自分でちゃんと排尿ができなかったのか!?と驚いた。
病院側からは母の状態は精神的なものからきているから、こちらでは引き取ることが出来ない。精神科のある病院に入院させた方がいいと言われてしまった。そのためには保護者の了承が必要だと言われた。因みに、母が運ばれた病院は今、父が入院している病院だった。
これから大手術をする父に、この状態の母のことを伝えるのは酷なことだ。でも、ここで伝えなければどうしようもないので、担当の先生と一緒に父の病室に入った。
父に話をしたら、自分のせいで母が悪くなってしまったとに涙を流した。父の涙を見たのは初めてだった。
私は、胸をえぐられた気持ちになった。でも、そこで負けずに、父に「手術して元気になれば母も元気になるよ。」といった。
次回につづく
by nezuy

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