今日はどろソースの日です。
「ど(10)ろ(6)ソース」という数字の響きになぞらえた親しみやすい語呂合わせが、この記念日の始まりです。
関西のコナモン文化には欠かせない辛味とコクを兼ね備えた万能調味料ですが、その存在の裏にはユニークな開発背景が存在します。
この特徴的なソースを作り続けているのが、兵庫県神戸市で長年ソース作りに邁進してきた老舗企業「オリバーソース株式会社」です。同社は1948年(昭和23年)に、それまでシャバシャバとした質感が主流だったソース業界へ、どろっとした粘り気のある「とんかつソース」を世界で初めて送り出した画期的なメーカーでもあります。
オリバーソースの主力商品として知られる「どろソース」が、一般家庭向けに市販化されたのは1993年のことでした。
しかし、その根底にある味自体はさらに昔から社内で大切に受け継がれていました。
ウスターソースをじっくり熟成させる大きなタンクの最底面には、野菜や果実の旨味、さらにスパイシーな香辛料が沈み込んで固まる層ができます。
製造の過程で残るこの沈澱部分こそが、どろソースの原点でした。
素材の旨味が極限まで濃縮された「お宝」のような部分に着目し、長期熟成を経て独自の商品へと昇華させたのです。
この味わいが全国的な知名度を得る契機となったのが、神戸の街角から広がった「そばめしブーム」でした。
1990年代後半から2000年代にかけて、刻んだ焼きそばとご飯を一緒に炒めるご当地グルメが流行した際、味の決め手として脚光を浴びたのがどろソースでした。
ガツンとした辛味と深いコクが熱々の鉄板料理と抜群の相性を発揮し、一気に知名度を高めました。
現在では「ウスター」や「とんかつ」といった看板アイテムと並び、同社を代表する名作として広く親しまれています。
また、王道の標準タイプのほか、カプサイシンを効かせた刺激的な「辛さ5倍どろソース」も販売されています。
力強いスパイシーさと凝縮された旨味は、お好み焼きやたこ焼きだけにとどまらず、普段のカレーや炒め物の隠し味としても威力を発揮します。
記念日である本日は、刺激的で深い味わいが詰まった一滴を料理に添えて、神戸仕込みの食文化を味わってみてはいかがでしょうか。
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