こんにちは、キャリカク一宮駅前の利用者「ファーストネームが K」 です。

フェニキアのアゲーノール王の娘エウローペーをみそめたゼウスが彼女をさらうために変身した牡牛、それがおうし座です。エウローペー(Europe)はヨーロッパ(Europe)の語源でもあります。
12星座をキーワードにギリシャ神話などを語ってみる新連載です。
概要は次の通りです。
♈おひつじ座:プリクソスの旅、アルゴー船物語、南極老人星
♉おうし座:エウローペーの旅、イーオーの彷徨、木星の衛星
♊ふたご座:四つ子、ディオスクーロイ(ゼウスの子たち)、オオクニヌシノミコト
♋かに座:双子、英雄の試練、婚姻神話
♌しし座:ネメアーの獅子、春の大曲線と大三角、熊にされたカリストー
♍おとめ座:地上の秩序、冥界の食べ物、見てはいけない
♎てんびん座:てんびんはごまかせない、天上の秩序、地道な正義
♏さそり座:星座が先か神話が先か、サソリの火、夏の大三角
♐いて座:不死のケンタウロス、アキレウスの養育、ヘーラクレースの過失、プロメーテウスの身代わり
♑やぎ座:牧神パーン、ペルセウスとアンドロメダー、スサノオノミコトとクシナダヒメ
♒みずがめ座:神々に愛された一族、トロース王の子ガニュメーデース、プリアモス王の弟ティートーノス
♓うお座:ヴィーナスとキューピッド、神々に愛された一族、ローマの建国神話
フェニキアは現在のシリアの辺りの地域で、エウローペーはそこから、ゼウスが変身した牡牛に乗せられて海を渡りクレータ(クレタ島)へ連れて行かれますが、そこでゼウスとのあいだに生まれたミーノースはのちにクレータの王になります。
一方、娘が行方不明になったアゲーノール王は、見つかるまで帰ってくるな、と言って息子たちにエウローペーを探させますが、結局見つからず、息子たちは方々で永住することになりました。その息子のひとりカドモスは、アポローンの神託で、牝牛を道案内として牝牛が疲れて倒れた地に都市を建設せよと言われ、ギリシャ中央部にテーバイを建国することになります。
ちなみに、カドモスの娘のひとりが「おひつじ座」で登場した、プリクソスの継母イーノーです。

ゼウスによって牛に変身させられたケースもあります。エウローペーやカドモスの祖母は、リビアの語源にもなったリビュエーで、さらにその祖母イーオーはゼウスにみそめられますが、ゼウスの正妻ヘーラーに見つかり、ゼウスはイーオーを牝牛に変身させてごまかそうとしました。
嫉妬したヘーラーは、牝牛(イーオー)を監禁し、百の目をもつと言われたアルゴス(「おひつじ座」で登場したアルゴー船を作ったアルゴスとは別人)に見張らせました。ゼウスはヘルメースに命じて牝牛を奪い返しますが、ヘーラーは嫌がらせのために牝牛にアブを送ります。古代の詩人がヘルメースのことを「アルゴス殺し」とあだ名するのは、このお話がもとになります。
ヘーラーが送ったアブはイーオー(牝牛)をしつこく刺し、イーオーは苦しみから逃れようとヨーロッパやアジアのいたるところを遍歴することになります。そして、バルカン半島から小アジアに渡った海峡は、その後、ボスポラス(牝牛を渡す)海峡と呼ばれるようになります。イーオーは、エジプトにたどり着いたとき人の姿に戻り、そこでゼウスとの子エパポス(リビュエーの父)を生み、エパポスはエジプトに君臨します。のちにイーオーは豊穣神デーメーテールあるいはエジプトの女神イーシスと同一視され神格化されました。
古代ギリシャの最高神ゼウスは、古代ローマのユピテル(英語ではジュピター)と同一視され、木星(英語ではジュピター)の語源になっています。
そして、イーオーとエウローペーは木星の衛星イオとエウロパの語源になっています。
同じく、ゼウスにさらわれたりみそめられたりしたガニュメーデースとカリストーも木星の衛星ガニメデとカリストの語源です。さらに、ガニュメーデースはみずがめ座、カリストーはおおぐま座にもなっています。ガニュメーデースについては「みずがめ座」、カリストーについては「しし座」または「おとめ座」のところでお話しするつもりです。
ギリシャ神話は基本的に次の本を参考にしています。
アポロドーロス『ギリシア神話』(岩波書店)
これに載っていないお話についてはその都度明示するつもりです。
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