こんにちは、キャリカク一宮駅前の利用者「ファーストネームが K」 です。

ボイオーティアーの王アタマースの子プリクソスが継母イーノーの計略にはめられて殺されそうになったとき、妹ヘレーとともに兄妹を救うためにゼウスが遣わした空飛ぶ金毛の羊、それがおひつじ座です。
12星座をキーワードにギリシャ神話などを語ってみる新連載です。
概要は次の通りです。
♈おひつじ座:プリクソスの旅、アルゴー船物語、南極老人星
♉おうし座:エウローペーの旅、イーオーの彷徨、木星の衛星
♊ふたご座:四つ子、ディオスクーロイ(ゼウスの子たち)、オオクニヌシノミコト
♋かに座:双子、英雄の試練、婚姻神話
♌しし座:ネメアーの獅子、春の大曲線と大三角、熊にされたカリストー
♍おとめ座:地上の秩序、冥界の食べ物、見てはいけない
♎てんびん座:てんびんはごまかせない、天上の秩序、地道な正義
♏さそり座:星座が先か神話が先か、サソリの火、夏の大三角
♐いて座:不死のケンタウロス、アキレウスの養育、ヘーラクレースの過失、プロメーテウスの身代わり
♑やぎ座:牧神パーン、ペルセウスとアンドロメダー、スサノオノミコトとクシナダヒメ
♒みずがめ座:神々に愛された一族、トロース王の子ガニュメーデース、プリアモス王の弟ティートーノス
♓うお座:ヴィーナスとキューピッド、神々に愛された一族、ローマの建国神話
ボイオーティアーはギリシャ中央部にある地域で、空飛ぶ金毛の羊は、そこからエーゲ海と黒海を越えて、現在のジョージアに当たるコルキスにプリクソスを送り届けますが、途中、かわいそうに、ヘレーは現在のチャナッカレ海峡(ダーダネルス海峡)で墜落し溺死してしまいます。そのため、この海峡は古くはヘレースポントス(ヘレーの海)と呼ばれていたそうです。

エーゲ海から黒海へ抜けるには、もうひとつ、ボスポラス海峡も渡らなければならないのですが、その地名縁起は「おうし座」のときにお話します。
コルキス王アイエーテースは、プリクソスを客人としてもてなし、娘のカルキオペーを与え、プリクソスは金毛の羊をゼウスに捧げ、その皮(金毛羊皮)をアイエーテースに与えました。そして、アイエーテースは聖なる森の樫の木につるし、眠ることのない竜に守らせ、プリクソスはカルキオペーとともにギリシャに帰るのですが、のちに息子のアルゴスがこの金毛羊皮を求めて「アルゴー」と呼ばれる船で冒険することになります。
アルゴー船の乗組員のことを「アルゴナウタイ」といいます。アルゴナウタイには当時のギリシャの英雄がせいぞろいするのですが、例えば、「ふたご座」のカストールとポリュデウケースや、「かに座」と「しし座」に関係があり自身も星座になったヘーラクレース〔ヘラクレス〕もアルゴナウタイです。
アルゴー船もアルゴー座という星座になりましたが、現在では、りゅうこつ座、とも座、ほ座、らしんばん座に分割されています(竜骨(りゅうこつ)と艫(とも)は船の部材)。
国立天文台のサイト「カノープスを見つけよう(2026年2月)」によると、りゅうこつ座のカノープスは、シリウスに次いで明るい星ですが、地平線すれすれにあるので見るのが難しいらしいです(見える北限は福島県北部辺り)。カノープスは、中国では南極老人星(なんきょくろうじんせい)と呼ばれ、見ると寿命が延びるという縁起のいい星とされています。
ギリシャ神話は基本的に次の本を参考にしています。
アポロドーロス『ギリシア神話』(岩波書店)
これに載っていないお話についてはその都度明示するつもりです。
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