読書の習慣がある人にとって、肝心の内容を身に付けるにはどうすればよいかは、誰しも考えることであろう。
では、内容を自分のものにする最善の手段は何かというと「読む」だけでなく「書く」である。
本を読んでいるうちは「なるほどなあ」と納得したような感じになって、思わず自然に一人で頷くこともあると思われる。
しかし、これは納得した気になっているのであって、深い理解に達しているとは言い難い。一時的には感銘を受けたとしても、時間が経過するにつれて、段々と内容は白紙のごとく消失していく。
確かに、読むとは頭を働かせる行為で思考力も身につくが、同時に受動的でもある。ショウペンハウエルという19世紀のドイツの哲学者も「読書とは他人の考えを反復的に辿ることに過ぎない」という辛口なことを言っていたりする。
自分の精神へと深く内容を落としたいなら、読むという受動から書くという能動へと進歩するのが重要になる。
そして、書く際に重要なことは「自分の言葉で置き換える」である。
本の内容を自分なりに嚙み砕いたり、要約したり、簡略化したりするのである。
まずは下手でもよいから、自分の言葉で表現することが大切であり、自分の言葉で置き換えることにより理解は深まっていく。
また、書く時においては「思い切って捨てる」も不可欠だ。
いざ、本の内容を書こうとしても、必ず直面する問題は「ある部分的な内容を捨てたくても、重要な気がして捨てられない」という葛藤である。
部屋を整理整頓する際に「いつか使うかもしれない」と決断が鈍って、捨てずに取っておくのでは、部屋は片付かずゴチャゴチャのままである。
これは、書くという行為においても同じであり、捨てる箇所は思い切って捨てないと、文章が冗長で乱雑になってしまう。
「自分の言葉で置き換える」と「思い切って捨てる」の2点を意識しながら書くことで、否が応でも頭を回転させなくてはならないので、内容も入りやすくなるだろう。
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