「あの人は、もうこんなにできている」
「自分より後に始めた人なのに、仕事が早い」
「同じくらいの年齢なのに、ずっと活躍している」
仕事をしていると、どうしても周りと自分を比べてしまうことがあります。
そして今は、SNSを開けばさらに大変です。
同年代で会社を立ち上げた人。
昇進した人。
資格を取った人。
新しいことに挑戦している人。
毎日楽しそうに働いている人。
みんな、人生進むの早くない?
なんて思う日もあります(笑)。
もちろん、人と比べることがすべて悪いとは思いません。
「あの人みたいになりたい」
「あのやり方、真似してみよう」
そうやって誰かを目標にすることで、頑張れることもあります。
でも、周りばかり見ていると、自分がちゃんと前に進んでいることを見落としてしまうことがあります。
だから、誰かと比べて落ち込んでしまったとき。
もう一人だけ、比べてみてほしい人がいます。
それが、
昨日の自分です。
昔の私は、「成長」というものをもっと分かりやすく考えていました。
仕事ができるようになる。
大きな成果を出す。
昇進する。
資格を取る。
目標を達成する。
もちろん、これらも立派な成長です。
でも実際に仕事をしていると、成長ってそんなに分かりやすいものばかりではありません。
むしろ、
本人にしか分からないくらい小さな変化
のほうが多いのではないでしょうか。
昨日は一人でできなかった作業を、今日は途中まで一人でできた。
昨日は分からないまま止まってしまったけれど、今日は「分かりません」と質問できた。
昨日は30分で集中が切れてしまったけれど、今日は35分できた。
昨日は注意されたことがショックで、それだけで一日が終わってしまった。
でも今日は、
「じゃあ、次はどうすればいいんだろう?」
と考えられた。
たった5分。
たった一言。
たった一回。
でも、昨日の自分にはできなかったことが今日できたのなら、私はそれも立派な成長だと思います。
自分の成長に気づきにくい理由の一つが、できるようになったことは、すぐに自分の中で当たり前になってしまうことだと思います。
初めて取り組んだときは30分かかっていた仕事。
何度も質問して、失敗して、やり直して。
それが半年後には10分で終わるようになっている。
でも、そのころには本人も、
「これくらい普通ですよ」
と言っていたりします。
いやいや。
最初、めちゃくちゃ苦戦してたじゃん!
と思うわけです(笑)。
人は不思議なもので、「できないこと」にはよく気づくのに、「できるようになったこと」は意外と忘れてしまいます。
だから、ときどき過去の自分を振り返ることが大切なのだと思います。
「そういえば、前はこれ苦手だったな」
「昔は一人でできなかったな」
「あのころより質問できるようになったな」
そう考えてみると、自分が思っている以上に前へ進んでいることがあります。
周りと比べて焦ってしまうときに、もう一つ覚えておきたいことがあります。
それは、みんな同じ場所からスタートしているわけではないということです。
これまで経験してきた仕事も違う。
得意なことも違う。
苦手なことも違う。
覚えるスピードも違う。
生活環境も、その日の体調も違います。
だから、同じ仕事を始めた二人が、同じスピードで成長するとは限りません。
誰かが3日で覚えたことを、自分は10日かかるかもしれない。
でも、10日かかったからといって、その人より価値がないわけではありません。
大切なのは、
「自分はできるようになったのか」
ということです。
昨日より少し分かる。
先週より少し慣れている。
1か月前より、できることが増えている。
自分の成長を見るための物差しを、他人だけに預けないこと。
それって結構大切なことだと思います。
ここまで、
「昨日の自分と比べてみよう」
と書いてきました。
ただ、一つだけ伝えておきたいことがあります。
毎日、昨日の自分を超える必要はありません。
ここは大事です。
昨日は1時間集中できた。
だから今日は1時間5分。
明日は1時間10分。
明後日は1時間15分。
そんなにきれいに成長できたら最高ですが、人間はゲームのレベル上げのようにはいきません。
よく眠れなかった日もあります。
疲れている日もあります。
なんとなく集中できない日もあります。
昨日はできたのに、今日はできない。
そんな日だって当然あります。
そこで、
「昨日よりできていない。私は成長していない」
と考えてしまったら、「昨日の自分と比べる」という考え方まで苦しくなってしまいます。
昨日よりできない日は、
「今日はそういう日」
でいいと思います。
できた。
できなかった。
またできた。
ちょっとできた。
今日はダメだった。
でも次の日はできた。
そんなふうに、行ったり来たりしながら少しずつ進んでいく。
成長って、本当はそういうものなのかもしれません。
毎日自分を採点して、
「昨日よりプラス1点!」
と確認し続ける必要はありません。
一週間。
一か月。
半年。
少し長い目で振り返ったときに、
「あれ?昔よりできること増えてるな」
と思えたら、それで十分です。
仕事をしていると、どうしても結果に目が向きます。
何件できた。
いくら売り上げた。
目標を達成した。
もちろん、結果は大切です。
でも、その結果にたどり着くまでには、たくさんの小さな「できた」があります。
今日は時間どおりに仕事を始められた。
分からないことを質問できた。
一つの作業を最後まで終わらせた。
失敗したけれど、報告できた。
誰かに「ありがとう」と伝えられた。
昨日教えてもらったことを、一人でできた。
そういう小さな変化を、自分自身が見つけてあげる。
それが積み重なった先に、大きな成長があるのだと思います。
周りを見れば、自分よりすごい人なんていくらでもいます。
仕事が速い人。
コミュニケーションが上手な人。
たくさんの知識を持っている人。
自分より先を走っているように見える人。
そんな人たちと比べて、
「自分は全然ダメだ」
と思ってしまう日もあるでしょう。
でも、そんなときには少しだけ振り返ってみてください。
昨日の自分。
一週間前の自分。
一か月前の自分。
そこには、今の自分には当たり前になってしまった「できなかったこと」があるかもしれません。
1日で人生を変えなくていい。
昨日より5分長くできた。
一回質問できた。
一つ覚えた。
昨日よりできなかったなら、今日は休んだ。
それだっていい。
成長は、毎日更新し続けなければならない記録ではなく、あとから振り返ったときに気づくものなのかもしれません。
大きな「できた」だけではなく、小さな「できた」もちゃんと数えてみる。
昨日の自分より、ちょっとだけできればいい。
そして、ときには昨日よりできなくてもいい。
焦らず、自分のペースで。
気がついたときには、今いる場所からずいぶん遠くまで歩いているかもしれません。
さて。
今日のあなたには、少し前のあなたにはなかった「できた」が、何か一つありませんか?
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