「これ、聞いたら怒られるかな」
「こんなことも分からないと思われたらどうしよう」
仕事をしていると、こんなふうに考えてしまうことはありませんか?
私はあります。
特に、新卒で入社した会社ではかなりありました。
当時の私は、職場の先輩たちを勝手に「聞きやすい人」と「聞きづらい人」に分類していたんです。
この先輩なら優しく教えてくれそう。
この先輩は忙しそうだから、今はやめておこう。
この人にこんな初歩的なことを聞いたら、何か思われるかもしれない。
今考えれば、相手から「質問するな」と言われたわけでもありません。
私が勝手にレッテルを貼っていただけなんですよね。
そして私は、「聞きやすい」と思った先輩ばかりに質問するようになりました。
その結果どうなったか。
今振り返ると、自分自身の成長に遅れが生まれていたように思います。
そして最終的には、お客様に対してのサービス提供にも影響していました。
新人のころって、分からないことだらけです。
仕事の進め方はもちろん、会社独自のルールや専門用語、人間関係まで分からない。
そもそも、何が分からないのかすら分からないことだってあります。
それなのに、
「さっき説明したよね?」
と思われたくない。
「そんなことも知らないの?」
と言われたくない。
忙しそうだから話しかけづらい。
こんな気持ちが重なると、だんだん質問すること自体が怖くなってしまいます。
そして、「とりあえず自分でやってみよう」と進めてしまう。
もちろん、自分で考えることは大切です。
でも、分からないまま仕事を進めて、大きな失敗につながってしまったら?
それなら私は、最初のうちはたくさん聞いてしまっていいと思います。
「質問するときは、相手の状況を見てタイミングを考えましょう」
確かにその通りです。
でも、新人のころからそれを完璧にやるのって、なかなか難しくないですか?
相手が今どんな仕事をしているのか。
どのくらい忙しいのか。
この質問は今すぐ聞くべきなのか、あとでもいいのか。
仕事に慣れてくれば、少しずつ判断できるようになります。
でも最初は、その判断材料すら持っていません。
だから多少タイミングを間違えることだってあると思います。
もちろん、緊急の対応をしている人に延々と質問するのは避けたいところですが、最初から完璧なタイミングを求めすぎて、「聞かない」という選択をしてしまうほうが怖いと私は思います。
分からないなら聞く。
間違えそうなら確認する。
そして、「今、大丈夫ですか?」と一言添えてみる。
まずはそれくらいからでいいのではないでしょうか。
新卒時代の私は、とにかく「聞きやすい」と感じた先輩を頼っていました。
もちろん、その先輩にはたくさん助けてもらいました。
でも今振り返ると、少しもったいなかったとも思います。
先輩によって持っている知識も経験も違います。
Aさんに聞けばAさんのやり方を知ることができる。
Bさんに聞けば、また違った考え方を知ることができる。
それなのに私は、自分で「この人には聞きづらい」と決めて、学ぶ機会を狭めていました。
さらに、いつも同じ人に聞いていると、その人がいないと仕事が止まってしまうこともあります。
これは、自分にとっても組織にとってもあまり良い状態ではありません。
もっといろいろな人に聞いていたら。
もっと早く「分かりません」と言えていたら。
今より早く仕事を覚えられていたのかもしれないな、と感じます。
仕事ができる人というと、
「一人で何でもできる人」
を想像することがあります。
でも実際の仕事では、一人ですべてを完結できる場面ばかりではありません。
分からないことを調べる。
必要な人に確認する。
自分の認識が合っているか相談する。
困ったときに助けを求める。
これも全部、仕事を進めるために必要な力です。
だから、「わからない」と言うことは、できないことを認めるだけの行為ではありません。
分からない状態から次へ進むための行動です。
質問して教えてもらったら、次は自分でやってみる。
また分からなくなったら確認する。
その繰り返しで、少しずつ一人でできることが増えていきます。
そしてここからは、新人ではなく社会人中堅以上の皆さまにもお伝えしたいことがあります。
どうか、
「この人なら聞いても大丈夫」
と思ってもらえる先輩でいてください。
新人に「分からなかったら何でも聞いてね」と伝えていても、実際に質問されたときに面倒そうな顔をしていたら、次から聞いてもらえなくなるかもしれません。
「前にも言ったよね」
その一言で、その人が次から質問するのをためらってしまうことだってあります。
もちろん、忙しいときもあります。
何度も同じことを聞かれれば、「メモしておいてよ」と思う日もあるでしょう。
でも、新しく入った人が質問しやすい環境をつくることは、本人のためだけではありません。
組織が成長するスピードにも関わってくると思います。
後輩から質問されると、
「ここでみんな迷うんだな」
「このマニュアル、分かりづらいのかもしれない」
「そもそも、この業務のやり方を見直したほうがいいかも」
と、教える側にも新しい発見があります。
一人の新人がつまずいた場所は、次に入ってくる人もつまずく場所かもしれません。
だったら、質問されたタイミングで説明方法やマニュアルを改善してしまえばいい。
そうすれば、次の人はもっと早く仕事を覚えられます。
質問しやすい新人が育つ。
教え方が改善される。
業務が整理される。
そして組織全体の成長が早くなる。
「聞きやすい職場」をつくることは、意外と立派な業務改善なのかもしれません。
新卒だったころの私は、先輩たちを勝手に「聞きやすい人」「聞きづらい人」に分けていました。
そして、聞きやすい人ばかりに質問していました。
今思えば、それによって自分の学ぶ機会を狭め、成長を遅らせていた部分もあったと思います。
だから、これから仕事を覚えていく皆さん。
分からないことは、たくさん聞きましょう。
最初から質問の仕方も、タイミングも、全部完璧でなくていい。
分からないまま進めて大きな失敗をしてしまうくらいなら、「これってどうすればいいですか?」と聞いてみる。
そして社会人中堅以上の皆さま。
どうか、後輩から「この人なら聞いても大丈夫」と思ってもらえる先輩でいてください。
そのほうが、新しく入った人はきっと早く成長します。
組織の成長だって、きっと早くなります。
そして何より――
あなた自身も、きっと働きやすくなるはずです。
後輩が分からないまま進めて、あとから大事件になるより、「これってどうするんですか?」と早めに聞いてもらったほうが、きっと楽ですから(笑)。
「わからない」と言える人と、
「わからない」と言ってもらえる人。
どちらも増えていけば、もっと働きやすい職場になっていくのではないでしょうか。
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