暦の上では秋の始まりとされる「立秋(りっしゅう)」。
「こんなに暑いのに秋?」と疑問に思う方も多いかもしれませんが、立秋は季節の大きな節目のひとつです。日中の暑さはまだまだ厳しいものの、朝晩の風や空の高さにほんの少しだけ秋の気配が混ざり始める時期でもあります。
今回は、立秋の由来や意味、この時期におすすめの過ごし方、そして季節の変わり目に意識したい「心身のセルフケア」について深掘りしてご紹介します。
立秋とは、1年を24の季節に分けた「二十四節気」の13番目にあたる節気です。「立」という漢字には「新しく生じる、立ち現れる」という意味があり、「秋の気配が立ち始める日」を指します。
毎年8月7日頃(年によって8月8日頃になることもあります)が立秋となり、この日から次の節気である「処暑(しょしょ)」の前日までの約15日間を指すこともあります。
立秋が巡ってくる8月上旬は、一年の中で最も気温が高く、真夏のピークに感じられます。これには、旧暦と地球の温度変化のタイムラグが関係しています。
・太陽の動きと気温のズレ太陽の光が最も強くなるのは6月下旬の「夏至」ですが、照射された熱が地球の地表や海水温を温め、実際に気温としてピークを迎えるのは約1ヶ月〜1ヶ月半後(8月上旬)になります。
・ピークを過ぎた「陰」のきざしつまり、立秋の頃は「暑さのピーク」であると同時に、「これ以上は暑くならず、徐々に涼しさへ向かい始める折り返し地点」でもあります。目に見える気温は高くても、日の長さが短くなり始めるなど、自然界は静かに秋への準備を始めています。
立秋を迎えると、日常生活や言葉使いの中でもいくつかの変化が見られます。
手紙やメールでの季節の挨拶は、立秋を境に変わります。
・立秋の前日まで: 暑中見舞い(暑さが極まっていく時期)
・立秋以降: 残暑見舞い(暦の上では秋なのに、残っている暑さを気遣う)
「残暑」という言葉には、「暦の上では秋ですが、まだ暑さが残っていますね」という相手を思いやるニュアンスが含まれています。
意識して周囲を観察してみると、小さな秋のサインを見つけることができます。
・空と雲の変化: 夏特有のモクモクとした入道雲(積乱雲)だけでなく、高い空にすーっと伸びる「うろこ雲」や「いわし雲」が交ざり始めます。
・虫の音: 夕方や夜になると、セミの声に混ざってスズムシやコオロギの声が聞こえ始めます。
・旬の食材: 梨やぶどう、ナス、カボチャ、秋刀魚(サンマ)など、秋の味覚が店頭に並び始めます。
季節の折り返し地点である立秋の時期は、7月からの寒暖差や冷房による冷え、紫外線、不眠などが蓄積し、「夏バテ」や自律神経の乱れが最も出やすいタイミングでもあります。
秋を元気に迎えるために、今から取り入れたい心身の整え方を3つご紹介します。
冷たい飲み物やアイス、素麺などの喉越しの良いものばかりを選んでいると、胃腸が冷えて代謝が低下します。
・温かいスープや味噌汁を1日1杯取り入れる
・生姜やシソ、ニンニクなどの薬味を活用する
・夏の旬(夏野菜)と秋の旬(根菜類)をバランスよく食べる
胃腸を温めることで、自律神経の働きが安定し、疲労回復が早まります。
夜になっても気温が下がりにくい時期ですが、エアコンを活用して快適な室温(26℃〜28℃程度)を保ちましょう。
直接冷風が当たらないように設定し、ぬるめのお湯(38℃〜40℃)に浸かって深部体温を一度上げてから就寝すると、深い睡眠が得られやすくなります。
残暑による不快感やダルさを感じたときは、意識的に気分転換を図りましょう。散歩のついでに空を見上げたり、季節の果物を味わったりして「季節の変化」を楽しむゆとりを持つことが、ストレス軽減につながります。
立秋は、自然界が「夏から秋へ」と静かにバトンタッチを行う時期です。私たちの心や身体も同じように、急な変化には対応できず、少しずつ準備を進めていく必要があります。
「なんだか最近体が重いな」「やる気が出ないな」と感じたら、それは季節の変わり目に身体が順応しようとしているサインかもしれません。無理をせず、自分のペースで温かいものを食べたり、しっかり休息をとったりして、ご自身をいたわってあげてくださいね。

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