小田原では梅雨の晴れ間にのぞく青空が眩しく、夏の訪れを少しずつ肌で感じる季節となりました。体調管理が難しい時期でもありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、本日6月18日が何の日かご存じでしょうか? 実は今日、6月18日は「海外移住の日」に制定されています。今から100年以上前、多くの先人たちが大きな希望と少しの不安を胸に、海を渡って新しい世界へと旅立っていった記念すべき日です。
今回は、この「海外移住の日」の歴史的な背景を深く掘り下げながら、私たちが日常や仕事の中で「新しい一歩を踏み出すこと」の意味について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
「海外移住の日」は、国際協力機構(JICA)の前身である国際協力事業団が1966年に制定した記念日です。その起源は1908年(明治41年)の6月18日にまで遡ります。この日、本格的なブラジル移民の第一陣となる781名を乗せた「笠戸丸(かさとまる)」という船が、50日以上もの過酷な航海を経て、ブラジルのサントス港に到着しました。
当時の日本は、日露戦争後の経済的な不況や農村部の困窮など、多くの社会的課題を抱えていました。そうした中で、「新天地で自らの力を試したい」「家族のために豊かな生活を築きたい」という強い意志を持った人々が、言葉も文化も全く異なる地球の裏側へと旅立っていったのです。
現地での生活は、決して平坦なものではありませんでした。原生林の開墾、未知の病気との闘い、言語の壁、そして文化の摩擦――。想像を絶する困難に直面しながらも、先人たちは持ち前の勤勉さと互助の精神でそれらを乗り越え、現地に深く根を下ろしていきました。彼らが築き上げた信頼は、今もなお世界各地で「日系人(Nikkei)」への高い評価として受け継がれています。
110年以上前の海外移住と、現代を生きる私たちの生活や仕事。一見すると全く異なるもののように思えるかもしれません。しかし、「慣れ親しんだ環境を離れ、未知の領域へ一歩を踏み出す」という本質において、そこには大きな共通点があるのではないでしょうか。
私たちは人生の中で、何度も「新しい挑戦」の局面に立たされます。例えば、新しい職場への転職、休職期間からの復職、あるいは未経験の職種へのキャリアチェンジ。さらには、「これまでとは違う自分になりたい」と願い、新しい学びや就労移行支援に通い始めることも、立派な新天地への移住だと言えます。
人は誰しも、変化を恐れる本能(現状維持バイアス)を持っています。「失敗したらどうしよう」という不安は、脳が自分を守ろうとする自然な防衛反応なのです。笠戸丸に乗った先人たちも、決して恐怖心がなかったわけではありません。それでも彼らが動いたのは、不安以上に「未来を変えたい」という強い願いがあったからです。
移住した先人たちが過酷な環境を生き抜くことができた理由は、大きく分けて2つあります。1つは、現地の環境に合わせて自分たちのやり方を柔軟に変えていく「適応力」。もう1つは、お互いに助け合い、支え合う「コミュニティ(結びつき)」の存在です。
これは、私たちが現代の社会や職場で新しくスタートを切るときにも、全く同じことが言えます。過去のやり方にこだわりすぎず、新しい環境のルールや人間関係を素直に受け入れる柔軟性(適応力)を持つこと。そして、一人で抱え込まずに、困ったときは「助けてください」と言える相手や、同じ目標に向かって進む仲間(つながり)を持つことです。
挑戦は、一人で行うと孤独で挫折しやすいものです。しかし、伴走してくれる存在や、共に励まし合える仲間がいれば、困難を乗り越える確率は飛躍的に高まります。

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