
「ジャズ」といえば、あなたは何を思い浮かべるだろうか。サックスやトランペットの音色のイメージ、「カフェやバーで流れてそう」という感想を抱く方もいるだろうが、多くの方は「古いし小難しそう」という印象があるのではないだろうか。
確かに、ジャズにはおよそ100年前から演奏されているという歴史があり、アーティストも多ければ細かいジャンルも幅広いため、小難しそうな印象を受けるのも無理はない。しかし、ジャズはもともと大衆音楽なので、構えて聴く必要はないのだ。他のJPOPやロックと同じく、「詳しくはないが、とりあえず聴いてみる」という楽しみ方で全然大丈夫。この記事を書いている私も、ジャズは好きで聴いているだけで、細かいジャンル分けや音楽理論については一切わからない(なんなら楽譜も読めない)。
そんな私でも楽しめるので、ジャズは「とりあえずBGMにしてみて、気に入ったらしっかり聴いてみる」という、普段音楽を聴くときの姿勢で全く問題ないジャンルなのだ。
こんにちは。利用者Fです。
今回は「ジャズには詳しくないけど、聴いてみたい」という方に向けて、「ジャズの魅力」、「もっと楽しみたい時向けの聴き方」、そして「オススメの名盤5選」をご紹介させていただきます。
自分の好みに偏った内容となってしまいますが、お付き合いいただければ幸いです。

ジャズの特徴といえば、やはり「即興演奏」!ジャズの曲は、最初に曲のメロディを演奏し、その後はメロディのコード進行に沿ってプレイヤーたちがアドリブ・ソロを繰り返し、そして最後に最初のメロディに戻る、という構成が多い。そのため、その場で奏でられる音楽は唯一無二で、プレイヤーの魂が演奏に現れているといってもいいだろう。
その「魂の演奏」こそが、ジャズの大きな魅力である。

即興演奏が特徴のジャズは、必然的にそれぞれの楽器を聴くパートが入ることになる。そのため、プレイヤーひとりひとりの音色の個性が色濃く感じられるのだ。
例えば同じトランペットでも、マイルス・デイヴィスが“間”を活かした繊細な音色が多いのに対し、リー・モーガンはまるで歌っているかのような明るいスウィングが特徴だ。
このように、楽器は同じでもプレイヤーによって雰囲気が異なる点が、ジャズの奥深さの一つである。
※もちろん、「こう聴かなきゃいけない」というわけではない。
なんとなく聞くだけでもジャズは楽しい音楽だが、楽器やプレイヤーに注目すると、より楽しく奥深い音楽体験が味わえるのだ。

ジャズの中にも様々なジャンルがあり、プレイヤーによってスタイルや特徴も異なる。そのため、まずは色々な曲やアルバムに触れて、自分に合った雰囲気を探してみよう。「ジャズ 名盤」で調べるでもいいし、とりあえず見つけたプレイリストをBGMがてら流してみるでもいい。 「いいな」と思う曲があったら、そのアーティストの別の曲を聴いてみたり、アルバムを聴いてみると楽しいかも。
今回は自分の独断と偏見で「オススメのアルバム」を5枚紹介させていただきます。どれも素晴らしい名盤なので、「ジャズって、とりあえず何を聴けばいいの?」「ジャズって誰が有名なの?」といった疑問をお持ちの方には、特にオススメです!
クール・ジャズ、ハード・バップ、エレクトリック・ジャズなど、様々な音楽性でジャズ業界を牽引した「ジャズの帝王」ことマイルス・デイヴィスによるアルバム。「モード・ジャズ」と呼ばれる作品の一つで、コード(和音)進行にとらわれず、モード(旋法)という旋律によって進行するのが大きな特徴。そのため、伸び伸びとしたアドリブ・ソロが楽しめる。
マイルス・デイヴィスの特徴は、何よりもその独創性!様々な技法を取り入れ、人生を通して変化し続けてきた彼の演奏には、「ジャズの帝王」と呼ばれるにふさわしい表現力がある。マイルスは生涯、ジャズに限らない様々なジャンルの音楽や、新しい電子楽器などを取り入れ続けた。彼の柔軟で先進的な姿勢が、ジャズという音楽そのものを大きく成長させたのは間違いないだろう。
一曲目の「ソー・ホワット」では、ベースとの掛け合いが曲の展開を作っている。静かに、それでいてスウィングしているという、一見矛盾しているかのような一曲。まさに奇跡のような演奏。
クラシック音楽のように繊細で優美なピアノ演奏で知られる、ビル・エヴァンスによるアルバム。彼は当時のニューヨークのジャズプレイヤーには珍しい白人であり、ビートとグルーヴを重視した「ブラック・ミュージック」とは異なるルーツによるアプローチが特徴的である。
このアルバムはいわゆる「陽気なジャズ」ではなく、むしろ「静かにじっくり楽しむジャズ」である。ゆっくりと耽美的に「聴きこむ」タイプといえようか。しかし、それでいて小難しくはなく、ゆったりと流れる旋律に身を委ねれば、自然と楽しめるのがこの一枚のスゴいところだ。
二曲目の「ワルツ・フォー・デビィ」は、ビル・エヴァンスが当時2歳だった姪のデビィに捧げた曲である。この曲は、なんといってもビルのピアノが美しい。時に加速し、減速するイントロでは、まさにクラシック音楽のような緊張と緩和を味わえる。その後、颯爽と駆け付けたドラムに合わせて、心地よいスウィングが始まる。楽器3台による演奏とは思えないほどの満足感に圧倒される、衝撃の音楽体験。
「私は聖者になりたい」という、音楽家の枠を超えたような言葉を残したテナーサックスの名手、ジョン・コルトレーン。彼は、活躍した期間は比較的短かったとされるものの、常に成長と前進を続け、「ジャズの巨人」の一人と評される伝説のプレイヤーだ。
コルトレーンの演奏を一言で表すならば、「熱い」。圧倒的なテクニックと妥協のない精神力を感じさせる彼の演奏からは、ジャズへの激しい情熱が伝わってくる。
一曲目の「ブルー・トレイン」は、その情熱を存分に楽しめる一曲。吹いて吹いて吹きまくるコルトレーンの演奏に、思わず身を乗り出して聴いてしまうほどの凄みを感じる。各パートのソロの中でも、やはり一番手であるコルトレーンのテナーサックスが抜群に飛びぬけていると感じる。凄まじいほどの情熱とテクニックに酔いしれる、力強くも美しい演奏である。
早逝した天才トランペット奏者、リー・モーガンによるアルバム。彼は伝説のトランペッター、クリフォード・ブラウンの再来とも呼ばれたほどの実力者であったが、1972年、凶弾に倒れ33年の人生に幕を下ろすこととなった。
リー・モーガンの演奏は艶やかで伸びがあり、明るくリズミカルなスウィングが特徴的である。先述したマイルス・デイヴィスが繊細で耽美的な「静」のジャズであるならば、リー・モーガンはまるで歌い踊るかのような「動」のジャズだ。思わずリズムに乗って足踏みしてしまうほどの彼のスウィングは、まさしく人の心を動かすジャズである。
一曲目の「ザ・サイドワインダー」は、イントロのリズムが最大の特徴。焦らして、焦らして、焦らした後の静寂。そこにベースが登場し、それから曲が展開し始める。各パートに見せ場があり、豊かな広がりを感じさせるセッションである。鮮やかな旋律と特徴的なイントロが印象的で、一度聴いたら忘れられない名曲。
トランペット奏者であり、なおかつボーカリストでもあったチェット・ベイカーによるアルバム。彼は当時ジャズの主流だったニューヨークではなく、アメリカ西海岸で活躍したアーティストである。西海岸のジャズは「ウエストコースト・ジャズ」と呼ばれ、チェットの他にもアート・ペッパー、ジェリー・マリガンといった白人アーティストが多いことが特徴だ。その中でもこのアルバムは、ウエストコースト・ジャズを代表する作品の一つと言ってもいいだろう。
このアルバムの魅力は、すべての曲にチェットのボーカルが入っていることで、彼のハスキーな歌声を存分に堪能できる点である。チェットの歌声には、憂いを帯びた気だるい雰囲気がある。それでいて彼は優しくささやくように歌うので、刹那的といおうか蠱惑的といおうか、どこか魔性のような魅力のある曲が多い。そのため、このアルバムからはセクシーで危うげな印象を受けてしまうのだ。
十曲目の「マイ・ファニー・バレンタイン」は、このアルバムの中でも特に人気のある一曲である。原曲はミュージカル楽曲で、多くのジャズアーティストにカバーされているが、チェットのバージョンが最高であるという意見も多い。
いかがでしたでしょうか。
1950〜60年代のアルバムばかり紹介してしまいましたが、それ以前も以後も「名盤」と名高いアルバムはたくさんあります。この記事を通して、「ジャズって面白そうかも」と興味を持っていただければ、何よりも嬉しいです。
サブスクリプションサービスが普及した現代は、往年の名作を気軽に楽しんでみることができる時代でもあります。これを機に、普段聴く音楽のジャンルを広げてみてはいかがでしょうか。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
利用者Fでした。それでは。
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