こんにちは。キャリカク藤沢南口の利用者Cです。今回は、最近読んで印象に残った本のレビューを書きます。

(画像は版元ドットコムより)
突然だが、私の好きな小説のジャンルは「ごはんもの」である。
少し風変わりな優しい料理人の作る温かい料理。その料理を食べて悩める人々が癒される。たったそれだけの大きな事件のないほっこりとした短編小説集は、心が疲れているときにもスープのようにするりと温かく染み渡る。そんな「ごはんもの」の中でも、古内一絵著『マカン・マラン』の料理人は特に風変わりだ。人々に植物性の滋味深い料理を振る舞うのは、元会社員で現ドラァグ・クイーンの「シャール」。昼間は、ドラァグ・クイーンたちの衣装を作り、売っている衣装店だ。だが、彼が夜、気まぐれに開く店が「マカン・マラン」。もともとは夜に活躍する同業たちにまかないを振る舞うだけだったようだが、風の噂で広がり、今では知る人ぞ知る店。「夜食」という意味の、バリ風の装飾がされたカフェだ。
彼の作る温かい料理と優しい言葉は、疲れた人々の止まり木になってくれる。客の体調に合わせてブレンドされた薬膳茶、春野菜のキャセロール、余ったカレーライスで作られた米パン、もちあわとかぼちゃのスフレ、様々な作り置きサラダで彩られた一皿……私は動物性のものばかり食べてしまうが、それでもこの本に描かれた料理たちはどれも美味しそうに見えた。料理を食べて美味しいと思う気持ちには、年齢も性別も、それこそこの本で描かれているLGBTsも関係なく共通なのだなと感じさせられる。しかし、シャールが料理店を開き、植物性の材料だけのメニューを作るのにはある理由があり……彼の理由については、ぜひ読んで確かめてほしい。『マカン・マラン』は全四巻に番外編一巻のシリーズだ。私はまだ一巻の『二十三時の夜食カフェ』しか読んでいないが、続刊もぜひ読もうと考えている。
いかがでしたでしょうか。私のレビューを読んで、「ぜひ読んでみたい!」と思ってくれたのなら、とても嬉しいです。
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