キャリカク一宮駅前 利用者のS.Kです。
2025年5月27日付のブログにて「調子が悪いとき、体調を崩したとき
の対処方法 WRAP その①」で、WRAPとはなにか、その概要を書
かせて頂きましたが、今回がWRAPの5つ構成要素の最終回となります。
「WRAPの5つの構成要素」としては以下のようになります。
①元気な時に役立つ道具箱(Wellness Toolbox)
②自分が元気なときの状態
③注意サイン(Early Warning Signs)の認識
④調子が崩れたときのアクションプラン
⑤危機プラン(クライシス・プラン)
今回は「⑤危機プラン(クライシス・プラン)」について、書かせて頂きたいと思います。
WRAPの「クライシスプラン」は、本人が自分で判断して行動する
のが難しくなるような「危機的な状態(クライシス)」に陥った時
に、周囲の信頼できる人たちが本人の希望に沿って適切に対応できるようにするための計画です。
◇目的
本人の意思がうまく伝えられない・自分で判断できない状態に備え、「このようにしてほしい」、「これはやめてほしい」という
希望を事前に整理して書き残しておくもの。
◇クライシスプランに含める主な内容
ステップ1:クライシスのサインの具体例
自分がクライシス状態に入った時に周囲が気づける具体的な行動・状態変化を書く。
〇行動の変化
・突然口数が極端に減る、または止まらなくなる
・誰とも連絡を取らなくなる(音信不通)
・衝動的な行動(突発的な外出、浪費、自己破壊的な行動)
・無断欠勤や予定のすっぽかしが増える
・持ち物を失くしたり、忘れ物が急に増える
〇感情の変化
・理由もなくイライラして起こりぽっなる
・落ち込み過ぎて涙が止まらない
・恐怖や不安に支配されている感じ
・感情が平坦で反応が鈍い(無表情、無関心)
〇思考の変化
・誰かに監視されていると感じる
・自分が無力で消えてしまいたいと感じる
・思考がまとまらない、集中できない
・現実と夢の区別がつかなくなる
〇身体の変化
・極端に眠れない/過眠になる
・食事をとらなくなる、または過眠になる
・急激な疲労感・だるさが続く
・身だしなみが極端に乱れる(風呂に入らない、服が不衛生)
ステップ2:自分が望む対応
クライシスに陥ったときに、「してほしいこと」を書く
(例)
・静かな場所に連れていってほしい
・〇〇さんに連絡してほしい(名前・電話番号)
・落ち着ける音楽をかけてほしい
・身の回りの世話をしてほしい(着替え・食事など)
・病院に行くときは自分の意志を尊重してほしい
ステップ3:望まない対応
・クライシスに陥ったときに、「やめてほしいこと・避けてほしい対応」を書く。
(例)
・一方的に命令口調で話さないでほしい
・無理やり病院に連れて行かないでほしい
・〇〇さんには連絡しないでほしい
・押さえつけたり、拘束しないでほしい
ステップ4:支援者リスト
・あなたが信頼している人たちのリストを記載。連絡先や支援内容も添えるとなお良い。
〇〇太郎(親友)090-XXXX-XXXX→相談に乗ってくれる
△△花子(姉) 080-XXXX-XXXX→運転してくれる(通院時)
ステップ5:医療・支援機関の情報
普段関わっている医療・支援機関の情報を明記。
・病院名・主治医の名前・電話番号
・通っている精神保健福祉センターなど
ステップ6:服薬・治療の希望
使用している薬や、望ましい・望ましくない治療方針を書く。
・現在飲んでいる薬:〇〇 40mg/1日1回
・避けたい薬:△△ (副作用が強いため)
ステップ7:クライシス終了のサイン
「もう落ち着いてきた」、「支援を減らしても良い」と判断
できるサインを記載。
・自分からごはんを食べれるようになった
・普段通りに笑えるようになった
・生活リズムが戻ってきた
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◇クライシスプランの記入例
・クライシスのサイン
声が出なくなる/連絡が途絶える/涙が止まらない
・してほしいこと
〇〇さんに連絡/毛布をかけて静かにしてもらう
・やめてほしいこと
大声で責める/強制的に病院へ連れていく
・支援者リスト
〇〇花子(友人) 090-XXXX-XXXX
△△花子(姉) 080-XXXX-XXXX
・医療情報
〇〇メンタルクリニック 0587-XX-XXXX
・薬・治療の希望
〇〇薬継続/△△系の薬は避けてほしい
・クライシス終了サイン
自分から会話を始められるようになったら
◎クライシスプラン 作成のポイント
・信頼できる人と一緒に作るのも理想
・必要に応じて定期的に見直すこと
・作成後は、支援者と共有しておくこと
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◇クライシス後のプラン
クライシス後のプランを作ります。
目的:普段の生活、他の対応プランを更新するため
他の人へのサポート情報を共有するため
作り方
1.どんな想い クライシス脱出後、自分がどのように感じているか自由に書く
2.気付いたこと 今回のクライシスの中で気付いたことを書く
3.クライシス後の時期に、誰にサポートしてほしいか書く
(最後に)
普段の生活から危機的な状況の脱出、リカバリーへ
メンタルの不調は、さまざまなきっかけで起こります。日頃から小さなセルフケアを重ねて大きな不調に陥らないように心掛けましょう。
それでも大きな不調を感じたときは、事前に書き出したやるべきことに従ってセルフケアを実施したり、他の人にサポートを頼んだりする必要があります。
しかし余裕がないと、その場で解決方法を考えることは難しいものです。
WRAPは、余裕がない状況でも自分で自分を大切にできるよう、事前に様々な対応プランを作っておくもの。
はじめは「どの方法が自分に合っているのか」と試行錯誤が続くかも知れません。
そんな時は「自分の専門家は自分である」ことを、ぜひ思い出してください。
より自分に合ったやり方になるよう、日々の経験を振り返ったり、病気や障害特性を学んだりしながらWRAPの各プランを更新・活用していきたいものです。
◇危機状態(クライシス)

(危機プランを実施すれば)
(元の本来あるべき自分へ回帰)

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