キャリカク浜松駅前の利用者、Tです。今回の記事は、提案したら企画が通ってくれたのもあり、浜松駅前オフィスの事業所長である遠藤幸寿(えんどう・ゆきひさ)さんへのインタビューを掲載します。
遠藤さんは、温厚で思いやりが強く、話し方もすごく優しい方です。人前で話すことやプレゼンも得意だし、人に興味も強い、と笑いながら答えてくれました。遠藤さんは自身を「童話上のクマ」だと例えました。自然にいるような荒々しい凶暴な存在ではなく、童話の中で描かれるような存在感が大きいけど優しい存在だと私も感じました。
ただ、本人曰く、大雑把だったり断るのが苦手だという短所があるそうで、今の困りごとは時間管理やタスク管理だと教えてくれました。断る勇気を持つことが大事だと分かりながらも実践に苦労していて、仕事のスケジュールが大変なことになっているようです。考えることが多く、休みもほとんど無いそうですが、それでもしっかり趣味のサウナとお酒を楽しんでいるらしいです。サウナは、親の会社の隣にスーパー銭湯があった影響で、小学校三年生くらいからずっとはまり続けていると話してくれました。週に5回行く時もあったそうですが、今は忙しいので週に2回程度の頻度で抑えているようです。
私は彼とのインタビューを通して「成功って何だろう」と考えさせられました。機会があれば記事とか関係なく、利用者として個人的にまたお話を伺いに行こうと思っていますが、成功する人の本質に触れた気がします。詳細はぜひ、このインタビュー記事を読んでみて考えていただけるとありがたいです。
今回も例に漏れず長い記事になると思いますが、お付き合いいただけると幸いです。では、インタビュー記事の方に参りましょう。

遠藤幸寿さん(取材時 41歳・男性)は現在、キャリカク浜松駅前オフィスの事業所長をしています。しかし、それだけでなく、兼業で美容関係のお店を自営しているとのことでした。詳しく聞いてみたところ、とある美容メーカーの代理店を経営しているらしいです。そしてメーカーの製品を提供するとともにメーカー製品を使うエステ・サロンを開き、お店を増やすことで利潤を得ているようです。主に教育や経営をしているらしく、自分がいなくても回していけるようなシステムを作って、区切りをつけることでキャリカクの事業所長をやることも出来るようになった、と答えてくれました。
この考えは凄く大事なことだと私は思いました。私はよく、全てを同時並行しようとしてしまいます。しかし、一つずつ形を整えていって、余裕が出来たら新しいことに挑戦するという長期的な視点が兼業を可能にしているでしょう。
現在は、キャリカクと自営業に対する力の入れ方は8:2だそうで、かなりキャリカクに力を入れているそうです。しかし、逆を言えば、10に対して8くらいの余裕がないと別の事業なんて出来ないのだと思います。タスク管理や時間管理も予定が長引くことなども考えて、ゆとりを持って行うことが大事だと言っていました。
また、大事なこととして「自分だけじゃ解決できないことは任せるか頼るかしましょう」と言っていました。その際に、そのまま放り投げるのではなく、自分が先陣を切る姿を見せて勇気づけることが大事だと教えてくれました。私は、一ヶ月程度しか一緒に時間を過ごしていませんが、その中で遠藤さんが盛り上げたり、先陣を切ったりするような場面を何回か見ました。よく頼まれて、本人にも合っているからこそ、遠藤さんが「他人を引っ張り上げる」時の輝き方は憧れる物があるし、マネしたくなります。しかし、他人に任せることで自分の役目や仕事を奪われることを不安に思う自分もいました。そんな僕に対し、そのような不安が他人からの信頼を得るチャンスなどを失う元になっている、とも教えてくれました。「任せる・頼る」行為の奥深さを感じました。
遠藤さんが主に活躍したのは立ち上げ段階で、今は現場の報告を受けるだけになってきていると明かしてくれましたが、そこまでたどり着くのに凄く努力したのだと思います。心から尊敬できる人物だと感じました。
二つの事業を抱えるという意味では、私も趣味の文章と仕事の文章の両方を書いていて、似た状態です。しかし、遠藤さんと違って、私は後ろ向きに生きています。うまく疲労の管理が出来なくて寝込むこともあり、休みもなく仕事をしている感覚は拭えません。良い文章をアウトプットするためには良質なインプット(読書や体験)もしないといけないので、仕事として計上できないような内容の行動は全てプライベートに持ち込んでいるせいなのですが、少し無理をしている自覚があります。
遠藤さんも時間管理が苦手だと言われていたので、すべき事や予定に追われて忙しいのだと思います。それでも上手に全てを回せているのは「システム作り」と「任せる勇気」の二つが大きいでしょう。全部を一人で抱え込んでも成功できなかったでしょうし、一気に全てを得ようとしても全部が中途半端になったと考えられます。成功する上で大事なのは「他人を信じて、頼りながらでも区切りがつくまでやり遂げる」事なんだと思います。
もちろん、今までの人間関係や生き方が今後の人生に大きく響きます。他人を信じるのが下手で、何かを任せるのが苦手な私にとって大きな課題があるのは事実です。しかし、他人を信じることが出来れば、自分の思うように生き方や人間関係を変える事が出来るし、その上で努力すれば誰でも成功できると感じました。
遠藤さんの話の中で、とくに感じたのが他人への配慮です。私は「今までにされたアドバイスの中で大事にしていること」を聞いてみました。その時に、遠藤さんは「発言が及ぼす影響を考えること」だと答えました。実は、私も過去に似たようなことを知り合いからアドバイスされて、他人への影響を考えようと挑戦しようとしたことがあります。ですが、上手に予想できずに予想外の反応が返ってくる度に困って、全てを完璧に知るのは難しいなと挫折しました。そこで、コツを伺ったところ「自分だけで考えなくても、チームとして組んで役立てるかを考えれば良い」と教えてくださいました。
そのときに僕は、生きるという行為を自分一人でやろうとするから難しいんだと理解しました。「自分一人で解決しようとすると手が回らないのは当然なので、他人と組んだときに引き立つ長所があれば大丈夫」と教えてくださりましたが、他人に頼らない前提で考えて動いていたから予想が不完全だったのかな、と反省しました。
また、お仕事をする上では相手の良いところを言うことが大事だ、と教えてくださいました。相手の良いところを感じて、感謝するのも大事ですが、それ以上に口に出して褒めることが大事らしいです。褒めることは変化に気づくことでもあるので、他人に興味を持ち、さらに「その人に対して必ず3つは褒める」など具体的な意識を持って褒めるようにすることがコツだと教えてくれました。褒めるのは容姿だけでなく、持ち物や性格など細かいところまで注目すると良いそうです。
誰かと生きるには誰かを意識しながら生きないといけません。自分のご機嫌を取って常に自分のパフォーマンスを保つのも大事ですが、他人の機嫌の取り方やケアの仕方を知ることも凄く大事だと思います。私は「生きる」と単体で言われると自分の力で生き抜くことばかり考えて、自分の調子の整え方などを考えてしまいがちですが、他人と生きる事を考えてみると、案外、課題点って多いなと感じました。
遠藤さんの価値観として「ぶれないこと」(芯を持つこと)が大きいようです。芯とはすなわち、目標です。目標をはっきり言える状態でいることがぶれないことなんだと思います。ただ、曖昧に念じているだけでは足りないのでしょう。遠藤さんからは強い意志を感じました。
学生時代、遠藤さんは真面目とも不良とも言えないような生徒だったようです。進学校に通っていた割には、周りに不良が多く、家の近くとかにライブハウスがあるのでたまり場になっていたと話していました。しかし、その頃からぶれることなく自分の芯があったようで、勉強は怠らなかったそうです。
私が「誇りに思うことはありますか」と尋ねたときに思いつかないと遠藤さんは答えていましたが、成功していることを誇らない謙虚さが良いなと思いました。私は人生で色々あったこと自体が誇りになっていて「波瀾万丈で面白い生き方をしてきた」と答えるタイプです。それ自体は悪くないかもしれませんが、私は過去を悪く言った上で、開き直ったように失敗したことを肯定します。ですが、遠藤さんは今までのことを過小評価してない上で誇っていないのだと思います。「何もないことが誇りですかね?」と尋ねても、そうだとも答えなかったのが根拠です。今までの人生を何の価値もないと否定しないのに、誇りもしないなんて、とても凄い考え方だと思います。私にはまだ出来そうにありません。
他人に対しては「尊敬し合えること」を重視しているそうです。しかし、それも遠藤さん自身が尊敬されるような振る舞いをしてきた上で相手を尊敬するから、互いに尊敬し合えるのだと思います。ご自身の志の高さが周囲の人に伝染して、自然とポジティブな環境が生まれているのかもしれません。遠藤さん曰く、志の高い経営者や役職者とのつながりが強く、愚痴や悪口などネガティブなものを出す人はあまり交友関係にいないそうです。
キャリカクにおいて遠藤さんが徹底させている意識として「なりたい自分を聞き出して、導く」利用者の支援方針があります。閑話として社会全体としての課題を聞いたのですが、若い人が夢や目標を持たないことについて凄く気にしていました。簡単に欲を満たすことが出来る恵まれた時代だからこそ、働くことについての目的意識が下がっていると指摘して、「趣味や欲しいものなどに対して、もっと稼ぐモチベーションになるような教育を出来ていない大人の問題だ」とも話していました。大人が子供と「一緒に夢を描かせる」ことが大事だ、とお考えのようで「一緒に夢を描く」ことは今の事業所においても大事にしているそうです。
一緒に夢を描く過程では、対立や衝突もあるでしょう。しかし、職員と利用者が多少ギクシャクしたり、利用者同士で衝突することになったりしても、過度でなければ見守る姿勢を取っているそうです。もちろん、過度な衝突に対しては介入するつもりだと言ってました。しかし「一緒に成長を目指す過程で衝突や対立をしても、それがきっかけで深く結びつくこともあるし、あくまで利用者は客じゃないので、遠慮するのも違う」と明言されていました。私は衝突や対立があること自体を悪く考えていたので新鮮な考え方でした。
なるほど、確かに対立や衝突がなければ理解なんて深まっていかないし、利用者は客でないという言い方にも一理あります。作業所とはいえ、利用者は働きに来ているわけで下手に出すぎる必要が無いのも当然です。私は福祉サービスについて、過度な配慮をするイメージを持っていたので、とにかく刺激しないことを考えているのかと思っていました。しかし、作業所は成長の場でもあるので、全ての障害を取り除こうとはしない姿勢にとても私はすこし自分の甘さを反省しました。
キャリカクは、私の夢に向きあって、可能性を探し、一緒に夢を描こうとしてくれています。誰かへインタビューすることの面白さを知ることが出来たのもダメ元で出した企画にゴーサインをいただけたおかげです。私はキャリカクで「自分のやりたいことに全力で向きあって、自分の出来ることを探す」という面白い経験を積んでいます。
私は成功を目指して頑張ってきた割に「失敗」ばかりを繰り返してきました。しかし、「成功」は勝者だけの言葉ではありません。準優勝でも成功と数えることが出来るように、負けたとしても、失敗と決めつけるのは早いのでしょう。なにせ、この世界では何が勝ちかすらも分かりませんから。
今、上手に生きていけていないと悩んでいる人は、ぜひ、思い込みから抜け出す勇気を持ってください。今、思い描いている可能性の中で一番わくわくして、他人の誇れるような生き方を探してみてください。一般就労だけに成功が用意されているわけではありません。作業所や病院のデイケア、自宅療養……と限りない可能性に限りない成功が用意されています。体調不良を起こして踏み外したとしても、道を外れた先で新たな意義を見いだしていけば、人生は大きく変わっていきます。
また、今の時代は正解がありません。階級やら何やらのせいで生まれつきの運命がある世界は終わっています。ありきたりな役割が自分に合わないなら、自分で役割を作ることが出来ます。僕は今回のインタビューを通して、もっと違う生き方があると感じました。そして、それが世の中の求めるようなありきたりな生き方でなくても大丈夫だと確信しました。
それも全てインタビューのおかげ。悩んだときは、是非、インタビューという形でも良いので、他人の生き方に触れてみてください。きっと、それが貴方の人生を切り開くのだと思います。
相変わらず、長々とすみません。最後に、遠藤さんからのメッセージがありますので、良ければそこまで読んでいただけるとありがたいです。お読みいただき、ありがとうございました。

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