この虚しさを消すことが出来るのだろうか……それは誰か埋めてくれるものなのだろうか?僕は時々思うのは、人を本当に殺すのは、この虚しさが原因の一つだということ。
虚しさは人を殺す一つの要因だということを。人はみな虚しさを埋めるために、人と付き合うものだということを。
長くなったけど自己紹介をしよう。僕の名前は孫曹操……えっ?本名じゃないだろ?いやいや、これは本名だよ。
信じられないかもしれないけど、これは本名だ。誰が何と言おうともこれが本名ということを、否定は出来ないんだよ。
僕の住む町、天川町は少し田舎な町だ。人通りもあんまりないし、人口も少ない。それがこの町の特徴だ。
天川町の天川高校に通う高校一年生、探偵事務所で探偵部と名乗っている。聞いたことが無い名前だ?いやいや、普通にあるだろ?小説や漫画とかに。いや、ないな。これからは事務所のことを探偵部と呼ぶ。
さてと……これから始まるのは僕と、探偵部の話だ。前置きが長くなったけど、始めようか、探偵部の日常を。
1
「起きろよ、兄ちゃん。もう朝だぞ」
孫劉備が僕を起こしてくる。双子の弟だ。名前は父さんが孫という名字に改名した。そこから三国志の名前をとって曹操と劉備になった。
みんなに笑われるよ。
「劉備か……おはよう」
そう言い、布団から出ると、学校に行く支度をする。
「劉備、お前今日は親父の見舞いに行くぞ」
僕たちの父さんの孫董卓は、今は体調を悪くして入院中だ。だけど生命に危険があるわけではない。ただ体調を悪くしただけだ。
「親父の見舞いか。わかったよ。でも、探偵部休んでいくから沙羅たちに挨拶していかないとな。兄ちゃん、早くご飯食べてって、母さんが言ってるぞ」
母さんは親父が入院してから一人で頑張っている。僕たちを養うためだ。寝る間も惜しんで頑張っている。
母さんは孫裕子という苗字以外は普通の名前だ。まあ、母さんもよく父さんと結婚したよな。ある意味驚いている。
「母さん、朝ごはん食べるよ」
「曹操、おはよう。早く学校に行きなさい。今日テストが返ってくるんでしょ?お父さんに見せるのよ。いいわね」
父さんに見せるのはいいけど。別に成績が某国民的アニメみたいに0点取るわけじゃないから、怒られはしないけどさ。
「お見舞いに行ったら、しばらくはお父さんのそばにいてあげなさいよ。一人で寂しいだろうから」
滅多に父さんのところに行くわけじゃないから、たまには親子そろって談笑もいいかもしれないな。
「それに曹操も劉備もお父さんのこと心配でしょ?」
それも確かなんだよな……劉備も父さんの事を心配しているだろうな。
「わかったよ、母さん。今日は親父の側にいるよ」
そう言って俺が言うと、母さんは納得したのか、仕事に出ていった。
「兄ちゃん。今日は探偵部休みだな」
部員は五人。僕、劉備、川島沙羅、結城美琴、小鳥遊玄貴。この五人だ。
2
学校に着くと、まずは教室まで向かうことになる。ただ学校に行っては帰る、そんな代わり映えのしない日常に飽き飽きしてきた……。
そりゃあ、そんなつまらない人生は嫌だからな……まあ、それでも頑張らないとな。
「おはよう、曹操くん。曹操くんは今日探偵部に来るのかい?」
こいつは結城美琴、僕のクラスメイトだ。美琴は意外と落ち着いていて、同級生と思えないんだよな。
「どうしたんだ?曹操くん?君は面白いな……いや、興味があるというべきかな。はは、私は今日は探偵部に参加できそうにない。」
この独特的なしゃべり方も、美琴の個性なんだよな。しかし、美琴も探偵部に参加出来ないのか。玄貴にはラインで伝えたから、みんなに言ってくれるだろう。
「僕もお父さんの見舞いがあるから参加できないんだ。ラインで伝えようか?」
そういうと美琴は首を振り、
「いいさ、私が出なかったら事情があると思ってくれるさ」
と言った。確かに出なかったら用事だと思うわな。そこらへんはちゃんとしてるんだな。
「それよりも、教室に急いだほうがいいんじゃないか?」
そういえばそうだ……急がないと!
「美琴も急いだほうがいいんじゃないか?」
「私は出なくても、実力があるだから急がないのさ」
なんなんだろうな、この自信は?でも確かに授業に参加してなくても、小テスト満点と先生に言われてたな。
「じゃあ僕急ぐから」
教室に着いたのはギリギリだった。
昼休み
屋上に向かうと、沙羅が屋上で何かをしていた。
「わ~お菓子美味しい~やっぱりお菓子最高だ~」
お菓子って学校にお菓子持ってきてるのか。そういやあ、よく屋上に行くの見るけど、お菓子を食べるためだったのか。
「沙羅、こんなところにいたのか。お菓子持ち込んで」
「あ~曹操くん~あのね……これは違うの……たまたま今日持ってきただけで。いつもは持ってきてないの……だからその」
いや、それはもう答え言ってるようなものじゃん!慌てぶりとその反応で!
「いや、別に先生に言わないから大丈夫だよ」
「ほっ……安心したよ~驚かさないでよ~それでどうして屋上に来たの?」
「たまには屋上で弁当食べようかなと思ってさ」
そう、たまたま今日は屋上で弁当が食べたかっただけなんだよな。まさかいつも屋上に行ってるのはお菓子のためだとはな。
「曹操くんもお菓子食べる?沢山あるから分けるよ」
「そう?じゃあ貰おうかな」
そういってお菓子を食べることにした。お菓子を食べると、沙羅はいたずらな顔になって、
「ふふ。これで曹操くんも共犯だね~」
「確かにな。これは二人の秘密だな」
「じゃあ安心したよ。今日は探偵部どうするの?」
そうか、探偵部休むの言わないとな。
「今日は僕と劉備は親父の見舞いがあるからさ。美琴も何か用事があるみたいだから今日は休みだね、それとも沙羅と玄貴でできるか」
「まあ、以来来ても玄貴くんと二人で何とかするよ~」
そういやあ、玄貴も同じようなこと言ってたな。
「ならよかった。玄貴がいるなら問題ないな」
「玄貴くんがうらやましいな~」
「どうして?」
「秘密だよ。ひ・み・つ」
沙羅はそういうと、またお菓子を食べ始めた。秘密は気になるけど聞くのは野暮だな。
「それよりも。劉備くんは?」
「劉備は今日は弁当じゃなくて学食だってさ。お袋にそう言ってたよ」
一卵性双生児なのに趣味は違うんだよな。
「へ~双子なのに考え方が違うんだね」
まあ一卵性双生児だからといって、趣味や好みが必ず一緒とは限らないからな。でも似てる部分はある。
「まあ双子でも人間だからさ」
「はは、野暮だったね~まあ曹操くんと劉備くんはそれぞれ個性あるもんね、人間同士だからね」
「それよりも。そのお菓子の量、沢山あるな。」
お菓子の大量の山に少し驚く自分が居るのは確かだ。女の子だからって小食とか体系とか気になる女子ばかりじゃないからな。
「へへ〜これが私の幸福な時間なんだ。食べたからね。もう食べたから共犯だよ~」
「わかってるよ。それにしても、どうやって生徒指導の教師から叱られないの?」
「秘密だよ。でも案外ばれないものだよ」
屋上のこの景色を見ながらのお菓子、最高だな。
「また明日もきていいか?」
「いいよ~いつもは残して次回にしてるから、曹操くんがいてくれた方が助かるよ」
沙羅は本当にマイペースだな。そこが沙羅のいいところなんだよな。
「あっ、そろそろ昼休みが終わるね。また明日ここにきてね。無理してこなくてもいいよ」
「気が向いたら来るよ」
「それでもいいよ。」
放課後
「兄ちゃん。親父大丈夫だよね」
一応命の危険性はない。でも、だからといって安心できるわけでもない。そんな空気になっている。
劉備もそこらへんは理解してるんだよな。でも理解と安心は一緒じゃない。だから心配する。そして親父のいる病院に向かっていた。
一部完、二部に続く
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