こんにちは。利用者Sです。
連載になりつつある、『orange』の読破報告をしていこうと思います。
今回、第4巻を読んだわけですが、第4巻は意外な展開が少なかったように感じます。
むしろ、今までの内容を補足するような感じで進められている気がしました。
そのうえでしっかりとイベントをこなしていくあたりが見事ですね。
最下位で終わるはずだった体育祭のリレーで見事優勝したシーンは圧巻でした。
バトンを私ながら伝言が増えていく、それを主人公が渡しきって翔が優勝を決めきる。
単純な仕掛けなのに湧き上がるものがあるのは書き手の腕だと思います。
そのために、事前の準備もしっかり行われていて、各自が手紙を活かしながら望む未来をつかみ取ろうとしている感じが良き。
その一方で、須和が菜穂と結ばれるルートを全力で排除しようとし始める……。
そんなところで終わってしまうのが第4巻でした。
さて、今回は須和君の話をしていこうかと思います。
第2巻の感想の時に私は次のように書きました。
「違う世界線でなら結婚して子供も生まれるのに、今の世界線では誰かと一緒にいるのを見ていないといけない気持ちって?」という部分ですね。
これはもう、須和君に問われる部分だろうと思うので、彼の出す答えに期待しかありません。
この部分は全く変わりないのですが、今のところの須和君は「それでも翔を応援したい」が答えのようです。
不思議なものですね。
何も考えずに時を過ごしていたら翔が死んでしまうことを知っているから、須和君は一歩引いているのでしょう。
しかし、この時点で須和君は大きなパラドックスに陥っていることに気づいていません。
翔は「それじゃあ菜穂が可哀想だよ」と作中で言っていました。
いなくなるかもしれない自分なんかと一緒にいてほしくない、と一歩引いている彼に須和は「俺が菜穂とつき合ってもいいのかよ」と問いかけます。
その時の状況を彼にあてはめたらどうでしょう?
二人とも、自分が幸せにするという気概がないのが悲しいですね。
前の世界線にて、須和君は翔がいなくなった後でやっと覚悟を決めたのでしょうけど、その覚悟を持っていない同士で主人公を譲り合っていても……と思います。
恋愛ものの醍醐味は譲り合いでなく、奪い合いですよね。
とか言いつつ、私も実際に恋愛をしようとすると奪うなんて気概を持つことはできないんですけど。
翔が死ぬかもしれないというハンデを負って勝負から逃げている須和君。
君はそんな男なのかい?
そんなことを思っていました。
あと、終わりが近づくにつれ感じ始めたのは「こんなに都合よく自殺って回避できるものなのかな」という疑問です。
自殺というものは相当な覚悟がないとできません。
一生懸命に周りがケアしようとしても、ケアできないのが自殺のように感じます。
自殺を防ぐことは他人にとって難しいです。
それこそ、一回は防げるかもしれません。居合わせた人間が止めることができれば、ですが。
この戦いが永遠に続くと考えると、自殺を防ぐというのは困難に感じます。
これから始まる「死にたい」との戦いに向き合う覚悟が主人公たちにあるかは少し謎ですね。
今回はこのくらいで。いつもありがとうございます。また、第5巻の感想をお楽しみに。
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