「人生を変えた物語」はあるだろうか。
誰かの生きざまが、誰かの思いが、誰かの言葉が。
あなたを変えたという経験が、今までにあっただろうか。
私は趣味で小説を書く人間ではあるが、そのような人生を変えるきっかけを与えたくて字をつづり続けている。
そんな私が「自分で書いてみたかった」と嘆いた作品がいくつかあるので紹介しようと思う。
これらの作品は、私が伝えたいことのエッセンスをきれいに煮詰めて提供してくれた。
あぁ、自分の目指すべき何かはここにあるんだと感じさせるものがあった。
ぜひ、見てみてほしい。
それなりに過激な作品も入ってはいるが、私の感じている世界観とはこういうものなんだ、と伝わるだろう。
1.ヴァイオレット・エヴァーガーデン
言わずとも知れた名作である。
京都アニメーションが京都アニメーション大賞というコンペを開いた中で唯一の大賞を贈った逸品である。
私はアニメを見て感動した後、暁佳奈が書き上げた小説4冊を追いかけるように買い集めた。
まだ読めていないが、見た時の感動を神格化したあまりに、詠んだ時には感動して昇天するであろうから一生読むことがないのではないかとさえ思っている。
内容としては文字が書けない人のために「代筆」をする人たちの群像劇である。
主人公は孤児で戦時には兵器としての扱いを受けていた少女である。
しかし、その少女に愛を教えた上官との別れを経て、少女は代筆屋としての力量を上げていく。
ところが、人の命を奪ってきた私が人の思いを伝える代筆をしてよいのかなどと深刻な悩みもあり、彼女の中で様々な葛藤が「燃えている」。
「火傷」を抱えて、新たな生き方をする彼女が愛を知り、愛を自覚し、愛を伝えようとする。
……これ以上の言葉を重ねるのが野暮なくらいに「見ればわかる」作品である。
2.聲の形
漫画原作の作品で、山田尚子監督のもと、京都アニメーションが映画を製作した。
2016年9月17日に全国公開され、第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞や、第26回日本映画批評家大賞アニメーション部門作品賞、第20回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞などを受賞した名作である。
大今良時の原作はまだ買い集めれていないが絶対に買い集めたいと思っている。
後、映画のDVDも買わなきゃと思っている。
映画を見たことがあるのだが、前半だけで心がいっぱいになる。
いじめっ子だった男の子がいじめっ子だと摘発されてから逆にいじめられっ子にまで転落する様が鮮やかだ。
家で見るなら、まず、映画を止めて休憩をとると思う。
とにかく内容が重たい。
だが、その重たさが不快かというとそうでもない。
誰もが心に抱えるようなトラウマであると思う。
いつ、だれが、自分を標的にするかわからない感覚は私にこびりついており、すごく共感できてしまう。
また、この作品ほど聾唖者を堂々と扱った作品を知らない。
私は声で伝えるより字で伝えるほうが好きだが、手話や筆談という手段を見事に取り扱った部分がたまらない。
想いを伝える方法は声でとどまる必要がないのだ。
文字や動作で伝えてもいい。
本作ではダンスを扱わなかったが、ダンスだって表現の一環だ。
表現というものを声だけに限定する必要がない。それは強く感じた。
3.ジョゼと虎と魚たち
田辺聖子の短編恋愛小説、及び本作を表題作とする短編集をテーマに作られた映画の話をしようと思う。
内容は、足が悪いためにほとんど外出をしたことがないジョゼと、大学生・恒夫との純愛を描くラブストーリーだ。
2003年に実写映画化され、2020年には韓国で実写映画がリメイクされた。
また、同じ2020年には原作小説から新しく脚色した劇場アニメ版が公開された。
私は2020年の劇場アニメ版を見たのだが、その時はノベライズされていなかったため、泣くレベルでよいのだが内容を見返せない悲しさに暮れた。
ただ、久しぶりにこの作品の話をするために検索したら小説版『アニメ映画 ジョゼと虎と魚たち』(角川つばさ文庫)として本が出ているという。
これは買うしかない。
原作の短編は確かに良いのだが、劇場版ほどの感動はなかったのだ。
……すごくほしくて仕方がない。困るなぁ。
詳細は省こう。この作品も「見ればわかる」作品だ。
美しさが半端ない。
大学生のころにたまたまマイブームが来て、映画館に通っていたころに見た大当たり作品である。
もう……たまらないね。
あぁ、今すぐにでも小説版が欲しい。
4.猫狩り族の長
まだ、メディア化されていないが、いつかされてほしいという期待を込めて、この作品を紹介する。
泣きゲー(泣かせるような感動系シナリオのゲーム)で有名なkeyのシナリオライター、麻枝准が初めて手掛けた小説だ。
この作品もまた「私が書きたかった」作品だ。
この作品の一番の長所は人間が重たいと嫌うような心からの叫びを麻枝らしい軽いタッチで描いてしまうことである。
普通の人だったらこんなコメディに病むことなんてできない。
病んだ発言にはそれなりの重みが伴ってしまうものであり、生きることを語れば人間は自然と身構える。
だが、麻枝は独自の技術で身構えさせることなく読者を闇の世界へ招き入れる。
私が目標とすべき究極がそこにある。
コメディとしても楽しめるため、ぜひ読んでみてほしい。
内容に触れるのは野暮すぎるのでしない。
ただ、死にたいと思ったことがあるならば、読んだ時にすぐ、私の伝えたいことはわかるはずだ。
5.JIN-仁-
私はあまりドラマを見ないのだが、一作、選べと言われたらこれが出てくる。
「アルジャーノンに花束を」も観たことがある気がするのだがあまり覚えていない。
本当はアルジャーノンの方がいい気がするのだが、敢えて、こちらを推薦する。
ぶっちゃけた話、最後に来る世界線移動の話が面白くて忘れられないのだ。
もちろん、現代の医者が江戸時代にタイムスリップして現代知識で夢想すれば帰ってきた後の現代は別の世界になっているという理屈はわかるのだが……まぁ、よくも。
これ以上は言わないほうがいいだろう。
現代医療知識がしっかり使われているため、見ていて知的好奇心は満たされるに違いない。
また、演者の演技もよい。
ちなみに「アルジャーノンに花束を」は幻想的なつくりになっており、また、知的能力を一気に引き上げて壊れていくまでの流れを美しく描いているため、大好きだ。
余裕のある方は、ぜひ「アルジャーノンに花束を」も見てほしい。
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