人は色々な場面で泣いたり笑ったりします。
あなたは最近、いつ、泣きましたか?
または最近、いつ、笑いましたか?
私は笑い上戸の泣き上戸です。
ドラマや映画を見ていると、つられて笑ったりもらい泣きしたり…比較的、人前だろうがあまり気にせず、泣いたり笑ったりする方だと思います。
これは国民性もあるかと思いますが、日本人はとかく『人前で感情をあらわにする』ことに対して、強い抵抗感があるのではないでしょうか?その中には『泣く』『笑う』も含まれていると思います。
しかし、『泣くこと』や『笑うこと』で得られる、心理的な良い効果があることも事実。
今回は、『泣く』『笑う』の効果について詳しくお伝えしたいと思います。
※今回は「赤ちゃんが泣く」ことに関しては除外しますね。
皆さんは、泣いた後や笑った後にどんな感情・気持ちになり、どんな感覚を味わいますか?
何となくスッキリした、何となく前向きになれた、何となく落ち着いた、そんな感情・感覚になることが多いのではないでしょうか?
このような感情・感覚には「交感神経」と「副交感神経」という神経の働きに『泣くこと』『笑うこと』が関与していたり、『カタルシス効果』と呼ばれる心理的な作用によって得られると言われています。
ではまず、「交感神経」と「副交感神経」についてもう少し詳しく説明いたしますね。
1.交感神経・副交感神経
交感神経と副交感神経を合わせて「自律神経」と呼びます。
自律神経というのは、呼吸や体温、血圧、心拍、消化、代謝、排泄など、生きるために必要な生命活動を自動的に制御する神経系を指します。
私たちは、胃や腸を動かすのに「胃よ動け!」とか「腸よ働け!」と意識し命令しているわけではありませんよね。胃や腸は、私たちの意志とは関係なく勝手に動いて働いてくれています。
そのため『”自律”神経』と呼ぶのです(自律=他からの制約を受けることなく、自分で決めた規範に従って自分をコントロールすること:autonomous)。
①交感神経
まずは自律神経のうち『交感神経』についてご説明します。
交感神経は別名『非常時の神経』『闘争の神経』とも呼ばれています。では具体的に、交感神経が働くと、身体にはどのような反応が起こるのでしょうか?
●心拍数を上げる
●血管を収縮させる
●血圧を上昇させる
●瞳孔を散大させる
●汗を分泌させる
●筋肉を緊張させる
●気管支を拡張させる
など
どうですか?こうやって見ているだけでも、交感神経が働くと「戦うための神経だ!」とイメージすることが出来ませんか?
②副交感神経
一方『副交感神経』は、というと…
別名『リラックスの神経』『休息の神経』と呼ばれています。では具体的に、副交感神経が働くと、身体にはどのような反応が起こるのでしょうか?
●血圧や心拍数を下げる
●筋肉を弛緩させる
●発汗を抑える
●腸の蠕動運動を促進する
●排尿に関わる
●呼吸を深く、ゆっくりとさせる
●胃を収縮させて胃液の分泌を増やす
など
意外にも、副交感神経が働くと胃腸の働きは活発になるのですが、その他の身体の機能は、どちらかというと、「身体を休めるための神経」というイメージがありませんか?
このように自律神経の交感神経と副交感神経は、その働きは相反するもの、とも言えます。
2.自律神経と『泣く』『笑う』の関係
泣こうとする時や泣いている最中、また笑っている最中というのは、交感神経が優位に働いています。「泣く」「笑う」って、まったく正反対のような身体の反応のような気がしますが、実は働く神経は同じなんです。
「泣く」にしろ「笑う」にしろ、「感情が高ぶる」状態には違いありません。
大事なのはその後。
笑った後や泣いた後というのは、なんとも言えない脱力感のような感覚が襲ってきませんか?その時です!「泣く」「笑う」時に働いていた交感神経が、一気に活動を止め、体中の副交感神経が働きだします。その変化というのは、何秒という単位で変化するといわれていて、普段、人間が生活している時、それほどまで急激に交感神経と副交感神経の働きが入れ替わることは、ほとんどないと言われているんです!!
皆さんも一度や二度、『泣き疲れて寝てしまった』とか『笑いすぎて力が抜けた』という経験をお持ちなのでは?と思います。
それは交感神経の働きから副交感神経へと急激にスイッチしたからなのです。
ただ一つ注意していただきたいのは、この泣いた後、笑った後の副交感神経の活動をより効果的に狙うのであれば、「思いっきり泣く」「思いっきり笑う」事が重要です。
つまり交感神経の働きが強ければ強いほど、その反動は大きく、副交感神経の活動が強く優位になるからです。
3.カタルシス効果
皆さんは『カタルシス』とか『カタルシス効果』という言葉をお聞きになったことはありますか?もともとこの言葉は、心理学用語なのですが、最近では様々な場面で見聞きする機会も増えてきたかと思います。
『カタルシス』とはもともとギリシャ語で『浄化』を意味する言葉です。そのため『カタルシス効果』のことを別名『魂の浄化作用』とも言われています。
心理学的には、不安や不満、悲しみや苦しみ、耐え難い精神的圧迫・ストレスから解放され、安心感や前向きな気持ちなどを取り戻すことを指しています。
「解放され」とお伝えしましたが、その「解放の仕方」というのは、人それぞれに違いがあると言われていて、以下のような事が挙げられます。
●本を読む、映画を見る、芸術に触れるなど、自分自身で引き出す。
●誰かに悩みを話したり、音楽を楽しんだり、スポーツを観戦したりするなど、他者によって引き出してもらう。
●聞き上手になって、相手の話をさえぎらないようにする。
●恋愛感情を抱くことで、自己をより深く理解する契機とする。
など
上に挙げた「カタルシスを得る方法」では、「泣く」「笑う」だけでなく「感動する」「ウキウキする」「ドキドキする」などの感情を引き出すような方法でも良いとされていて、その人その人に合った方法を見つけ出すとよい、と言われています。
このように、『泣く』『笑う』には身体的な反応と精神・心理的な反応よって、様々な効果をもたらすことが分かっていただけたかと思います。
大いに笑い、大いに泣きましょう!
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