皆さんこんにちは!キャリカク藤沢南口の利用者Tです。
本日は、私がライター時代に取材していたコホート研究について皆さんにご紹介します。
「コホート」とは、特定の共通の特性や経験を持つ集団のことです。元々は古代ローマの軍隊の単位を指しましたが、今では一定の条件でグループ化された人々の集まりを指す言葉として使われています。

調査時点で、仮説として考えられる要因を持つ集団(曝露群:ばくろぐん)と持たない集団(非曝露群:ひばくろぐん)を追跡し、両群の疾病の罹患率または死亡率などを比較する方法です。また、どのような要因を持つ者が、どのような疾病に罹患しやすいかを究明し、かつ因果関係の推定を行うことを目的としています。
フラミンガム研究と久山町研究
コホート研究といえば世界的に有名なのがアメリカのフラミンガム研究です。
これは、米国のフラミンガムの住民を対象に1948年から始まった心血管疾患に関する大規模なコホート研究です。高血圧やコレステロール値など、心血管疾患の危険因子を特定し、生活習慣病の研究に大きく貢献しました。当初は住民の男女5,209人を対象に開始されましたが、その後対象者の子や配偶者も含まれるようになり、長期間にわたって追跡調査が続けられています。

一方で、日本では九州大学医学部が主体となって行っている「久山町研究」があります。
1950年代の脳卒中死亡率を世界各国で比較した米国の疫学者Goldberg(ゴールドバーグ)とKurland(カーランド)が、日本の脳卒中死亡率が他の国に比べて群を抜いて高いことに注目し、日本人に脳卒中死が多いのは死亡統計の基となる死亡診断書を記載する際の日本人医師の診断習慣に問題がある可能性を指摘したことが研究のスターといわれています。
当時、九州大学医学部第二内科(現病態機能内科学)を主宰していた勝木司馬之助教授がこの疑問を明らかにするために、特定の地域住民を対象に、その集団内における脳卒中死亡率を正確にとらえ、脳卒中病型別の頻度を把握すべくこの久山町研究を立案しました。そのため、死因調査の正確性を期すために死亡者全員を剖検(解剖)することにしました。
久山町研究における剖検に基づく調査から、1960~2000年の40年間に脳卒中による突然死が約7分の1に激減し、代わって心疾患による突然死が急増していることが分かっています。降圧薬による高血圧管理が進んだ一方で、生活習慣の変化で肥満や糖尿病などの代謝性疾患が増えつつあることが原因にあると思われます。
久山町研究は2015年には国家的プロジェクトである「健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究」にも参加し、中核的な役割を担っています。
その後、2013年から青森県で始まった「弘前COI」プロジェクトにもほかの地域のコホート研究と一緒に参加しています。
この久山町は65歳以上の高齢者の割合が27.0%で、75歳以上の高齢者が7.3人に1人です。また、20~39歳までの人口が997人で総人口の10.8%になっています。これは、日本の標準的な割合で、この久山町研究の研究結果をそのまま日本に応用することができます。スタート当初にこの研究を久山町で始めたのはこういった人口構成を考えてのことでした。
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